員外利用について
問1
次のような場合は、員外利用に該当するか。
(例1)
組合員の取り扱う物品の共同販売事業を実施する組合が、組合員の取り扱っていない物品を員外者から仕入れ、組合で販売する(例えば、弁当の共同販売を実施する組合が、日本茶、みそ汁等を仕入れ、販売する)。
(例2)
中古自動車販売業者で組織する組合等で行う競売(オークション)事業に員外者が参加し、組合員に販売又は、組合員から購入する。
問2
組合が他の組合と共同して事業を行う次のような場合は、員外利用に該当するか。
(例1)
複数の商店街組合が、共同して連合大売り出しを実施する。
(例2)
複数の商店街組合が、共同商品券を発行する。
答1
員外利用は、組合事業の一部を組合員の利用と競合する態様で員外者に利用させる場合に発生する概念であり、員外者が組合事業に関与していても、組合が購入する物品の仕入先,組合が販売する物品の販売先など組合員の利用と本来的に競合しない態様での関与であれば、員外利用の概念が生じないと考えられ、設例のような場合はこれに該当すると考えられる。
答2
組合が他の組合と共同して事業を行う場合については、当該共同事業が各組合の組合事業として適切な内容の共同事業であれば、各組合員にとって当該共同事業の利用は自己の組合事業を利用しているにすぎず、員外利用の概念が生じないと考えられ、設例のような場合はこれに該当すると考えられる。
なお、以下の事例については、原則として員外利用規制に違反しないと考えられる。
1 組合員の利用と競合しない態様での非組合員の関与
①共同販売事業を実施する組合が、品揃えの充実のために非組合員の生産物品も販売する。
②新幹線の駅に共同売店を出店しているが、品揃えのために員外者の取り扱い物品も販売する。
③地域の商工業者、サービス業者等により構成されている組合が、情報ネットワークを提供し,このネットワークに非組合員の情報もインプットする。
④中古自動車販売業の組合で行うオークション事業に、非組合員(有資格中小企業者、大企業、他の同業種組合の組合員等)が参加し、組合員に販売する。
2 組合等の共同事業
①複数の商店街組合が連合大売り出しを実施する。
②近隣の組合が共同して会館を設置する。
③複数の玩具の小売店組合が連携し、玩具の共同購入を実施する。
④複数の商店街組合が、共同して共通商品券を発行する。
⑤複数の商店街組合が連携し、それぞれが発行する商品券の相互利用を認める。
⑥複数のクレジットカードの組合が連携し、相互にカードの取扱いを認める。
また、以下の事例については,員外利用規制に違反するおそれがあると考えられる。
①クレジットカード事業を実施している組合が、非出資者の利用を員内利用として計算する。
②共同店舗事業を実施している組合が、大企業に店舗の大半を賃貸する。
③建設資材の共同購買事業において、組合員の必要量を大幅に超えて大量に購入し、非組合員に販売する。
④仕出し弁当事業を実施している組合が、非組合員からも積極的に注文を受けて弁当を供給する。
⑤組合員従業者宿舎に空き家が大幅に生じたため、一般者に対し賃貸する。