理事会の定足数を定款で変更することについて
質問事項
現行中協法第36条の3によると「理事会の議事は、理事の過半数が出席し、その過半数で決する」と規定されているが、本件を定款で「理事会の議事は理事の3分の2以上が出席し.その過半数で決する」と定め得るか。又、上記のとおり定款に規定した場合、理事の過半数が出席し、その過半数で決した議事は有効と解釈されるか。
回答内容
ご指摘の如く中協法で「理事会の議事は、理事の過半数が出席し、その過半数で決する」と規定しているが、定款で「理事会の議事は理事の3分の2以上が出席し、その過半数で決する」と加重規定しても差し支えないと解される。過半数出席を規定した趣旨は、理事会の成立には理事全員の出席は望めないにしても、その性格上、少なくとも過半数の出席は必要である。しかも法は組合のあらゆる業種、業態に普遍的に適用されるものであるために、その最低必要限度である過半数出席を規定したものと解される。このような趣旨から、ある特定の組合が、組合の運営に重大なる影響を与える理事会であるから、過半数出席では万全を期し難く、そこで3分の2以上の出席をもって慎重に事を運びたいとする場合、これを否定すべき積極的な理由は見出せない。したがって、理事会の定足数を緩和することは当然できないが、これを加重することは甚だしい弊害が生じない限り差し支えないものと解される。また法で過半数とあるからと言って、定款で3分の2以上出席と規定した以上は、3分の2に満たない出席では理事会は成立しないと解する。