総会議事録の署名者について
○○中央会では会員組合の総会を控え、その準備に取り組んでいるが、総会終了後の各種手続のうち、議事録の署名者につき、登記所の見解に相違が見られるので、これについてはどのように考えたらよいのか貴見をたまわりたい。
総会議事録には、議長及び出席した理事が署名しなけれぱならない(中協法第54条で商法第244条第2項を準用)が、署名すべき理事が誰であるかについては、役員任期の定款規定方法、総会開催日、前任者の退任時期、後任者の就任時期等により、場合を分けて考える必要がある(別表参照)。
1.定款規定の役員任期を「何年」と定めている場合においては、以下のとおりとなる。
(1)総会開催日が、前任者の任期満了前であって、前任者から①「総会開催日前」に辞任する旨の辞任届が提出されている場合には、前任者には後任者の就任時までの残任義務があり、一方、後任者が選出されると同時に就任を承諾すると、新旧両理事に議事録への署名を求めることとなる。次に、前任者から②「総会開催日」、③「総会終結時」をもって辞任する旨の辞任届が提出されている場合には、総会で後任者が選出され、しかもその者がその総会に出席していたとしても、就任を承諾できるのは、総会開催日翌日以降あるいは総会終結後となるため、後任者には議事録への署名義務はなく、それぞれ旧理事が署名することとなる。さらに、④辞任届が提出されていない場合には、後任者の就任は、前任者の任期満了後になるため、旧理事に署名を求めるほかはない。
(2)総会開催日が前任者の任期満了日と一致する期日であって、前任者から①「役員選挙直前」に辞任する旨の辞任届が提出されており、しかもその後任者が同一の総会で選出され、直ちに就任の承諾をした場合には、新旧両理事が署名することとなるが、②「総会終結時」に辞任する旨の辞任届が提出されている場合、又は⑧辞任届が提出されていない場合には、後任者の就任は、総会終結後あるいは総会開催日翌日以降となり、議事録への署名の必要がないため、それぞれ旧理事が署名することとなる。
(3)総会開催日が前任者の任期満了後であるときには、前任者には残任義務が生じているが、この場合、後任者の就任承諾の時期が、①「総会での役員選出時」であるときには、新旧両理事に署名義務があり、②「総会終結後」又は③「総会開催日の翌日以降」に就任を承諾する場合には、旧理事が署名することとなる。
2.定款規定の役員任期が「何年又は就任後第何回目の通常総会終結時までのいずれか短い期問」と定められている場合には、以下のとおりとなる。
(1)「何年」到来前に総会が開催される場合には、前任者の任期が「総会終結時」となり、旧理事か署名することとなる。
(2)「何年」到来後に総会が開催される場合には、前記1-(3)と同様の取扱いとなる。
(別表)、総会議事録署名者、定款規定の任期、総会開催日、前任者の辞任届の有無及び辞任の時期、後任者の就任時期、総会議事録署名者、総会議事録記載例(理事及び監事全員が改選の場合)、l.「何年」、(1)任期満了前、①有、総会開催日前、総会開催日の選出時、議長及び新旧理事、昭和何年何月何日辞任したので、②有、総会閉催日、総会開催日の翌日以降、〃旧理事、本日辞任するので、③有、総会終結時、総会終結後、〃旧理事、本総会終結と同時に辞任するので、④無、、前任者の任期満了後、〃旧理事、昭和何年何月何日任期満了により退任するので、(2)任期満了日、①有、役員選挙直前、総会開催日の選出時、〃新旧理事、役員選挙直前に辞任したため、②有、総会終結時、総会終結後、〃旧理事、本総会終結と同時に辞任するので、③無、、前任者の任期満了後、〃旧理事、昭和何年何月何日任期満了により退任するので、(3)任期満了後、①総会開催日の選出時、〃新旧理事、昭和何年何月何日任期満了により退任したので②総会終結後、〃旧理事、昭和何年何月何日任期満了により退任したので、③総会開催日の翌日以降、〃旧理事、、2.「何年」又は就任後第何回目の通常総会終結時までのいずれか短い期間、(1)「何年」到来前、総会終結時、〃旧理事、本総会終結と同時に任期満了により退任するので、(2)「何年」到来後、①総会開催日の選出時、〃新旧理事、昭和何年何月何日任期満了により退任したので、②総会終結後、〃旧理事、昭和何年何月何日任期満了により退任したので、③総会開催日の翌日以降、〃旧理事、昭和何年何月何日任期満了により退任したので、