支店の組合員資格について
1.設立しようとする商工組合の地区内において、地区外に本社を有する会社の支店がある場合に、この会社は組合員資格を有するかどうか。この場合、組合員資格について中協法の解説では、支店が地区内において資格事業を行っていれば、本社が地区外にあってもその法人全体の名において加入できることになっているが、中協法における「事業を行う」と中団法における「事業を営む」との関係についての解釈をもあわせてご教示下さい。
2.例えば法人全体の名において加入できると仮定した場合、申請書に記載する法人の所在地は地区外にある本社の所在地とすべきかどうか。
1.組合が定めた地区内で、組合員たる資格に係る事業を営む拠点を有している事業者は、組合員資格を有し、この場合事業を営む拠点は主たると従たるとを問わない。従って、ご質問のように本社は地区外にあるが支店が地区内にあり、かつそこで資格事業を営んでいる場合は組合加入資格を有するものである。この場合、支店は独立の法人格を有する事業主体ではないから、法人全体の名において加入することとなる。なお、事業を営む者とは、営利を目的として事業を継続反覆して行う者をいい、事業を行う者は必ずしも営利を目的とすることを必要としないので、事業を行う者より狭い概念である。
2.上記の如く、支店は法人の機関であって独立の法人格を有する事業主体ではないから申請書に記載する法人の所在地は、主たる事務所の所在地(民法50条)たる本社の所在地を記載することとなる。なお、このように法人全体の名で加入し、その所在地を本社の所在地とする場合にも、商工組合が調整事業を行う場合は「一定の地域」における事業活動を制限することによって不況事態の克服等を図ろうとするものであるからその地区で行う事業活動の制限は、その法人の地区外の事業活動(地区外の支店、工場、事業場の活動等)には及ばない。更にこの場合、その法人の地区外の事業活動をも、調整事業に従わせなければ効果があがらないとするならば、その事業活動をも含ませるよう、組合の地区を更に拡げるのが適当であると解する。