1人1票制の場合の累積投票等について
質問事項
役員の選挙権を1組合員1票とする協業組合では、理事の選挙に累積投票を採用できないか。また、累積投票を監事の選挙に採用できないか。
回答内容
累積投票とは、協業組合で理事を2人以上選任するときに、各組合員に1選挙権につき選挙される理事の数と同数の選挙権(3人の理事を選出する選挙のときは、1選挙権につき3票)を与え、各組合員がその選挙権を1人に集中して投票しても、また数人に適宜に分散して投票することもその自由にまかせ、その結果得票数の多い者から順次所定の員数までのものを当選者とする制度をいう。このように累積投票制は1人の組合員が複数の投票を行うことになるので、役員の選挙について1人1票制をとる協業組合では累積投票制を採用することはできないと解されている。次に監事の選挙についても累積投票制を採用できないかとのご質問であるが、監事の選挙については累積投票を採用することはできない。累積投票は、理事(株式会社では取締役)の選挙についてのみ採用できる選挙の方法である。累積投票は、少数派の組合員にもその有する選挙権数に比例して理事を選出する機会を与えるために採用された制度で少数派の保護を目的としている。監事は、組合の会計に不正や誤りがあるかどうかを監督することを職務とする機関で、公正、中立でなければならない。少数派組合員の保護を目的とする累積投票は監事の選挙にはなじまない選挙方法であるわけである。